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オーロラ見にアラスカへ

01.jpg うーん、こんなに成田エキスプレスって混んでるの・・・。と思いつつ、席無し(立ち乗り)で成田にギリギリ到着し、空港のチェックインも順番すっ飛ばしてもらい飛び立った。やはり連休と言うことでぎゅうぎゅうな感じでシアトルに到着。


 

§ シアトル

 朝、空港近くのホテルに入り一寝入りして、ダウンタウンへ出かける。航空券の手配してから野球のスケジュールを確認したが、残念ながらアウェーゲームで観戦不可なのは調べ済みだった。仕方なしにアメリカン・フットボールでも見ようかとシーホークススタジアムへ。大枚40ドル払ってやたら高い(位置が)席へ座る。ビールも買うが、風が冷たくさらに寝ぼけ状態であんまり美味しくない。そんでもって、シアトルのチームが敗れたりしてガッカリ・・・。
 地下鉄でダウンタウン中心部へ移動しようかと思ったら、日曜日は地下鉄が動いていないって・・・まじかよ。一気に面倒になり、さっさとホテルに戻り、有料映画でスターウォーズEP2(12ドルは高いよなぁ)を見ようかオンデマンドのNINTENDO64で遊ぼうか、思ってるうちに寝てしまう。

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 早朝から空港へ移動し、フェアバンクスに飛ぶ。聞いてなかったけど、なんかアンカレッジ経由と言うことで途中着陸したりした。アンカレッジからの空路は天気がよく、眼下に氷河が点在する風景や、マッキンリーなど山々がよく見えた。
 昼過ぎにフェアバンクスに到着、外はひんやりとする空気が漂い、緑の香りが気持ちいい。ホテルに電話しピックアップして貰う。おばちゃんが迎えにきてくれ、ホテルまでの道すがらなどを説明してくれた。人口は3万人ぐらいで、おばちゃんが通ったアリゾナ大学の生徒数と同じなんだとか。ふーん、人口が少ないのか、大学が大きいのか・・・。今は紅葉の季節で、国内の観光客が多いとのこと。そうだよな、日本から紅葉見にアラスカまでへは行かんよな。

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§ フェアバンクス

 さて、今回の旅の目的は「なんとなくオーロラ」としたので、オーロラを見たいのでツアーに参加したいとおばちゃんへ伝え、とりあえず町をぶらぶらしてみる。漠然とした目的で、3日ぐらいありゃ1回ぐらいオーロラ見えるだろうぐらいで、他のことはあんまり下調べしてなかった。ホテルの近くに観光案内所があり入ると、「こんにちは、日本の方ですかぁ?」とスタッフに日本語で話しかけられビックリ。なにやらボランティアで観光案内所の仕事をしているという。この東京都荒川区出身のお姉さんにいろいろ旅のアイディアを貰った。
 フェアバンクスは小さく見所が少ないので北極圏へ足を向けろとか、デナリ国立公園は日帰りは無理なので出直して来いとか・・・。下町な調子なのである。ということで、アラスカ大学フェアバンクス校の博物館へサイクリングすること、北米最北端の町バローへの日帰りツアーに参加することになった。
 さて、オーロラのツアーは一杯で参加できなかったが、観光案内所のお姉さんに隣の公園で見ることも可能と教えてもらい、その夜に挑戦することにした。行き当たりばったりの旅は、この観光案内所のおかげで充実することになった。
 フェアバンクスの初日の晩飯はタイ料理となる。一休みして11時頃に表の天候を確認するが曇っている。オーロラ観測予定の公園まで出て西の方角を見ると、雲が切れていてわずかに切れ目がこっちに向かってくることがわかる。すなわち、晴れ方向にあるということである。さらに、雲の境目あたりにコバルトブルーのぼんやりしたところが見えたり消えたりするのがわかる。
 ひとまず、ホテルに戻りその旨をホテルのスタッフに説明すると、それはオーロラだねぇとの回答。こっちはかなりワクワク状態なのに、淡々した調子なのである。ま、当たり前か。

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 それじゃ、っとばかりに一眼レフに三脚と、ウィスキーを入れたポケット水筒を抱え(外で飲むのは違法なのだが)、公園に出かけ直し。12時頃にだんだんと空が晴れ星が見えてくる。ボウっとした2本の帯が光を強ませたり弱めたりして近づいてくる。おお、これぞオーロラっと初体験でもわかる姿である。薄緑の2本の帯はだんだんと縮まり、一方は教会の塔の先端から出ているようになり、他方は帯ががつながり大きなJマークを描いている。教会からJマークなんて、ちょっとできすぎの感があるが事実なのである。1時ぐらいには帯は帯をなさず、曖昧な状態なって消え、オーロラ観測の目的は幸運にもあっさりと達成してしまったのである。
 相変わらずの夜更かしで、ゆっくりした時間に起きる。昨夜オーロラ観測前に、自分のPCでインターネット接続をしようとしたが、アクセスポイントが最寄りになく、長距離電話になるのでオペレータを介さずに電話する方法をホテルのスタッフに聞いたら、「うちのホテルはボロだから、部屋からはインターネットできないよ。何人もの泊まり客が挑戦してのことだからあきらめな」とのこと。しかし、思いもかけず「近くにインターネットカフェがあるよ」とのこと。へー、こんな田舎(失礼)でもあるんだなあ、と思っていた。
 昼近くの朝飯は、当然このインターネットカフェとなった。6ドル以上の飲食(野菜炒めのサンドイッチと店の名前と同じカフェラテとか)で30分無料で使える。店の地下の薄暗いところに古いPCが3台並んでるだけだが、メールのチェックやニュースなどを見ることはできた。

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 天気もいい、予定通り自転車を借りてアラスカ大学の博物館へ向かう。自転車専用の道路が完備されていて、車を気にせず行けるので楽ちんである。チナ川沿いにゆっくり進めば、紅葉も満喫できるし途中で野生のウサギも挨拶にくる(正確には見かけただけ)。

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 1時間もかからない。大学は小高い丘の上にあり眺めもいい。博物館は、恐竜やマンモスの化石、エスキモー、オーロラなどの展示がある。先の大戦で日本がアリューシャン列島沿いに攻め込んだことも、相応のスペースがとられていた。日本語でアナウンスする機械もあり便利(ちょっと地味な口調だが)。日本じゃ博物館なんて行きゃしないのに、旅に出ると機会が多いよなぁ。
 生徒も含め人影の少ない大学をぐるりと周り、手がかじかむ気温になる前に引き上げる。 この日はイタリアン料理を晩飯とする。アラスカのビールは、甘口で寒いこの地方に適した味である。

§ バロー

 早朝、フェアバンクス空港へ。相変わらずガランとした空港である。「バローまでの日帰りツアーの参加者です」とチェックインカウンターで伝える。例の観光案内所では、「空港で名前を言えばOK」とのことだった。短冊状態のパンフレット一枚持って「これこれ」と見せ名前を伝える。奥の部屋から「こんにちは、日本の方ですねぇ」と、またまた日本語なのである。アラスカエアラインに勤めてるお姉さん登場(出身までは聞けなかった)で、この短冊一枚でこの先も大丈夫なのかと確認したら、「まだ、バウチャーできてないのでちょっと待ってて」と。ふーん、航空会社がやってるツアーなんだと今気がつく。

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 1時間半ぐらいのフライトでバローへ到着(ぜひ地図で場所を探して欲しい)。滑走路は雪に染まり、タラップを降りれば空気がパリンパリンな感じである。でも、深呼吸で肺が痛くなるとか、手足の感覚が無くなるなんて程の寒さではない。東京の真冬よりはまだましな感じである。


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 ツアーバスに乗り込む。「ツンドラ・ツアー社」はエスキモー(漫画に出てくる格好はしてませんので誤解の無いように)の方が運転手兼ガイドをする。今回のツアー客は8人で、俺以外はアメリカ人。みんな早口でここに書いた内容に間違いがあるかもしれない。
 バローは人口4千人、エスキモーの方が半数以上でここの部族はイヌプイットと呼ばれる。道は他の町につながっていない、文字通りの陸の孤島。考えてみれば、道がつながってないのに、空港があって人々が暮らして行くための設備(警察、消防、郵便、スーパーなど)を要しているには、なにか理由があるのかもしれないが・・・、考えられたことはクジラがおいしくて町を離れられない人がいるんじゃないか、ぐらいだった。

13.jpg ※これは民俗資料館の写真の写真です


 寒く森林北限を越えているので農業はできない。魚と肉ばかりを食べてるはずである。クジラは春秋の年二回捕獲される。滞在した週末が秋の捕鯨の日らしく、「来週くれば20ドルで10ポンド(5Kg)ぐらいを分けてやるよ」とのこと。クジラの食べ方は、茹でるか凍らせるかの二通り。ちょっと料理とは言えないかもしれないが、ガイドは「おいしいんだ」の連発だった。日本人の俺も味を知らないわけではないが、アメリカ人は、「皿の上にはクジラだけなのか?」「ケチャップかけないのか?」「ピクルスはのってないのか?」なーんて感じ。でも、観光客からは、どこぞの環境団体のような発言はなかったのでちょっと安心。

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 一部の民家の屋根やベランダには、北極熊の毛皮、アザラシの牙、カリブー(トナカイの一種)やムース(ヘラジカだったかな)の角などが無造作に置かれて(日干し中?)いるところもある。今さっき仕留めましたと行った感じのカリブーの輪切りもベンチに置いてあったりもする。
 住民は自分らの文化やプライバシーを侵されるのは好まないようで、写真はOKされた場所以外は、ツアーバスが徐行するので隠し撮り風に撮影しないといけない。

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 TV、ラジオ、電話は普通に使える。町はずれに大きなパラボラアンテナが10本ぐらい並んでいる。TVは約60チャンネルで他のアメリカの町と同じ。ちょっと違うのは、57チャンネルは、GPSで管理された公共バス(3路線)が現在どこを走ってるのかわかる仕組みなっているとのこと。たしかに、いつくるともわからないバスをバス停で待ってたんじゃ、凍死しちゃうもんなと感心。
 町は禁酒法を施行している。酒を売ったり買ったりすると罰金だそうだ。どうやら、以前に酔っぱらいによる事故・事件が有ったらしく、彼らの意志(選挙)で禁酒にしたとのこと。なかにはブッシュマンが密売しているらしいが、なにぶん道がつながってないので量も限られるだろう。
 ここへのフライトで手錠された人が警官らしい人に連れられていた。ひょっとしたら刑務所があるかもしれない。極寒の地で道がつながってなければ、刑務所の立地条件としては最適ではある。(これは想像) 物資の入手についても気になるところだが、日常品は日に2回の飛行機が運ぶとのこと、その他の大型物資は船が年1回運ぶとのこと。新車買ったら最悪一年待ちじゃんかと聞いたら、新車買う奴はいないけど、7千ドル払えばカーゴで運んでもらえるらしい、ふーん。

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 ツアーバスは、北極海、クジラの骨のモニュメント、犬ぞりの犬、天然ガスの採掘現場、軍のレーダーサイトなどなどを周り、イヌプイットの歌とダンスを見る。
 中でも、町はずれから2頭の北極熊が見えたのは驚きだった。知ってたら双眼鏡や望遠レンズ付きでカメラ持ってきたのに・・・。肉眼でも熊がドシドシ走ってるのがわかる。
 近い場所ではあるが、熊が町中に入ることは少なく、爆竹などですぐに追い払えるとのことだった。きっとライフルでサクッと仕留めて自分ちで解体するじゃないかな・・・。

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§ 帰り

 バローから戻りフェアバンクスでアラスカ最後の日を過ごす。と言ってもなにもすることがないので、本読んだり映画見たりして終わる。休日とは、かくもこうありたいものだ。
 アラスカ最後の晩飯は、泊まったホテルの向かいの豪華ホテルのレストランで、アラスカらしくハリバット(オヒョウ)の蒸し焼きを食べる。でかく分厚い白身に細くソースが格子状にかけられている。このソース、なんと八丁味噌ベースだったりして、旨いんだけどアラスカらしさが半減・・・。
 この後は、ロサンジェルスへ夜行便で飛び、サンタモニカでぼうーっとしたり、現地の友人と買い物や食事をしたりして、遅い夏休みは本当に充実して終った。 (おわり)

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