西オーストラリアで自分癒しの旅
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「ピヨッ、トトトト・・・」と歩行者用の信号機の音が懐かしい。バックパックをスーツケースにして、オーストラリアに二度目の足跡を残すことになった。
§ イントロ
バックパックを背負ってた時期に、東半分には行ったことがあるので、今回の行き先は、西側とした。
旅の手配は、某大手旅行代理店で全部面倒見てもらおうかと思ったけど、店員さんは型通りの対応しかしてくれなかった。儲け至上主義なのか、メールの返事もくれない始末・・・。「わがまま気まま」は、おまえじゃん。しかたないので、航空券と宿はカンタス系の旅行代理店に頼んだ。虎ノ門にあるお店で話しをすれば、その場で事がサクサク進んだ。後から、旅程を変更した時も、もの凄いスピードで対応してくれた。 それと、現地ツアーは、オーストラリアの代理店にインターネットから頼んだ。なぜだかツアー催行会社に直接申し込むより安いのである。せっかちな担当者だったけど、オフシーズンの催行状況なども相応に確認できたし、ちょっとした手違いはあったけど概ね感じよかった。
§ パース
成田からパースへは、夜行便で10時間半で着く。シート内蔵のテレビとかは無かったので、文庫本のページがだいぶ進んだ。 朝8時には安宿に到着した。チェックイン時間は14時と聞いていたが、12時にはなんとかしてくれると聞いて、荷物を預けその辺をブラブラすることにした。季節はちょうど春で、ちょっと涼しいが、青空が気持ちいい。
スワン川沿いに、鳥たちがのびのびやってる。スワンベルの中を見学し、船着き場のカフェで昼飯にする。思いの外、上品なフィッシュ・アンド・チップスをビールで流し込む。
さて、ぼちぼち宿に戻って・・・と思ったところに、市内観光の派手なバスがきたので、それっと乗ってみた。同じようなトラムも走ってるようで、どちらかで払えば、両方を2日間乗り放題らしい。ほろ酔いで、キングスパークからの眺めを堪能し、宿に戻ったのは結局夕方になった。
チェックインしたら、部屋が2ベッドルームの2バスルームで安宿スィートだった。「間違いじゃないの?」と、聞いてみるが、「他に空いてる部屋が無いのでそうなった」とのこと。一人じゃ、そんなにベッド使えきれないぞーって思いながら、晩飯は宿のレストランで「ローストビーフ」を食って寝る。 パースの最初の印象は、「銅像がやたら多い」、「キレイな車が多い(ポンコツは走ってない)」、「コンビニが無い」ぐらいだったか・・・。
§ ピナクルス
朝7時にツアーバスがやってきた。日本人4人、韓国人1人、イタリア1人の計6人でピナクルスへ向かう。
まず、ヤンチャップ国立公園でコアラとカンガルーにご対面する。コアラは木に抱きつく格好で、顔をこちらに見せない。ちっこい子供を背負ってるのもいるが、同じ毛並みでわかりずらい。つか、コアラ探すのも結構しんどい。カンガルーは、ゴルフコースをわがもの顔でウロウロしている。しかし、なんで国立公園にゴルフコースがあるかな・・・。エミュも見かけたが、残念ながらカメラが間に合わず。
バスは、風光明媚なルートで進む。ムーアリバー国立公園付近、風力発電の風車が立ち並ぶ景色を眺める。途中、急にUターンして驚いたが、ドライバーが道ばたにツチノコのような珍しいトカゲを発見し、戻ってくれた。
ピナクルスは、ナンバン国立公園にある。砂漠の墓標のような不思議な奇景が広がっている。残念なのは、関西のオバちゃん軍団が、キャピキャピと人目もはばからずカメラの撮り合いしてたぐらいか。俺のフレームに入るなとは言えないしね・・・。
帰りに、砂丘に寄ってISUZUの4WDのツアーバスでグォングォンと攻める。そして、サンドボーディングを楽しむ。と言っても砂丘を登って帰ってくるのが辛くて1回でギブアップ。。。
夕日を眺めつつ宿へ戻る。明日も早いので、また宿のレストランでご飯にローストチキンがのっかったのを食べた。今日は、日本人の女の子が働いててビックリ。
§ ウェーブロック
朝6時半にツアーバスがやってきた。日本人2人、シンガポール人2人、欧米系6人の計10人でピナクルスへ向かう。 このツアーは、移動距離が長いので、ほとんどがバスの中で過ごすことになる。のどかな田園風景に癒される。ドライバーが言うには、麦と菜の花(菜の花って呼び方でええんだっけ?)がほとんどらしい。菜の花が咲く時期は壮観だろうと思う。
ウェーブロックは、国立公園っでは無いっぽい。巨大な岩は、エアーズロック並の大きさで、上空から見るとS字形をしている。見所は、ウェーブ状の部分(Wave Rock)、カバのあくびのような部分(Hipos Yawn)と後は、岩に登り、ひとまわりって感じで、昼飯含めて2時間ぐらいかな。後でわかったけど、見所の反対側はゴルフコースや飛行場になってるもよう・・・。
シンガポール人の女性二人組に質問攻めに合うが、行ったこと無いディズニーランドや泊まったこと無い東京の安宿の話しには答えられなかった。京都にも興味があるようで、日本語わからなくても大丈夫っかて聞かれたけど、他の日本の観光地よりは、外人に優しい町なんだろうけど、どうなんだろうねぇ、外人じゃないからわかんないよー。
宿に戻ったら、ワインのプレゼントがあった。4泊以上すると1本くれるキャンペーンらしい。近くの飲み物を持ち込みできるBYOレストランにでも出かけようかと思ったけど、面倒になって弁当にした。宿のレストランにチャーメンとサラダを電話で頼み、できたら電話するから取りに来てと、そんな感じ。なんとなくタイカレー食べたかったけど、品切れだった。
電話がかかってきて、受話器を上げると、日本語で「ごはん、できましたよー♪」って昨日の女の子だった。大爆笑。
§ 洗濯日和
今回の旅は、小さい飛行機も乗り継ぐので、荷物をコンパクトにしないといけなかった。いつもなら、カメラやパソコンを含め、出発時点で大きなスーツケースは20Kgオーバーで既にダメダメな重さなんだけど、日本からの国際線では怒られたことはなかった。今回は、ふたまわり小さいスーツケースで13Kgまでと、どう考えても無理な重量制限となった。 なので、パースまでは少々越えてもいいとしても、この先は軽量化を図らなければならない。先ず、古いデニム、Tシャツ、下着を一着ずつゴミ箱へ。必要な分は洗濯で再利用。ニュージーランドやオーストラリアのホテルは、長旅用にコインランドリーが付いてるケースが多い。空いてる昼頃を狙って、文庫本と飲み物を持って小一時間洗濯した。強力な脱水で、洗濯機がガガガーとあちらこちらに動いたけど、海外らしくてとてもよろしい。
それと、簡単な土産物を買って、いらないけど捨てられない物と併せて郵便局から日本へ発送した。これで、15Kgぐらいかな。許してもらえる範囲かなっと。。。
連日の好天で、初日に見つけたキングスパークで昼寝でもしようかと思ったけど、郵便局からパースの鉄道駅を見たら、近くに博物館があったので、そっちでぶらぶらすることにした。
予定外に歩いて疲れたので、またまた夜は宿のレストランへ。魚のグリルを白ワインでいただく。おかわりしたワインは、例の女の子がグラスの縁まで注いでくれた。うれしい。
§ 北上しカナナラへ
パースからブルーム経由でカナナラへ向かった。今回はブルームに寄らなかったけど、空からのビーチや海の眺めは、南の島のリゾートによくある感じでのんびりするには良さそうだった。
日本の出発直前までよくわかってなかったけど、カナナラは、10月から4月までは酷暑が続くのでオフシーズンらしい。空港の預けた荷物を引き取る場所も、屋根付きの駐車場なところに、飛行機の荷揚げ荷下ろしする車がそのままやってくる。荷物が来るまでは、ちょっと落ち着かないのだ。 翌日の午前中に、近くのミリマ国立公園へ散歩にでかけるが、酷暑はつらい。出がけにガソリンスタンドで買った水は、あっと間に空になった。荒々しい岩の間は、真夏の東京のビルの谷間(観光気分が台無しの比喩だけど・・・)のようで、20分歩いたら、10分休憩な感じで、冬山と同じぐらいマジで危険なのだ。そして、タカが上空で俺を狙ってる。な、感じがした。
人っ子一人いないし、奥深いところまで来たし、そろそろ引き返さないと本当に死んでしまう感じがした。ところが、岩々と木々の間から、車の行き交うのが見え、がんばったら、村の生活道路にでた。探検気分台無しだけど、命拾いした感じ。(複雑)
昼間は、ホテルで昼寝して、夕方は近くの湖でぶらぶらし、一日を過ごした。体の悪い物が全て汗になって出た感じ。ちょっと臭う。
§ アーガイルダイヤモンド鉱山とバングルバングル
朝起きて、冷凍室から前日に仕込んでおいたミネラルウォーターのペットボトルを取り出した。小さな冷蔵庫に申し訳程度に付いた冷凍室なので、やっぱり凍ってはいない。まあ、しょうがないと思って取り出したら、底の方からジワジワジワワーと突然に凍り始めた。ちょっとビックリ。
さて、ツアーの方だけど、本当はバングルバングルを地上から眺めたかった。だが、ツアーを予約する時点では、催行人数に達していなくて、カナナラに着いてもツアーが空振りする可能性があったので、旅程を変更して、催行確実なダイヤモンド鉱山見学と上空からバングルバングルなツアーにした。
宿でツアーバスを待ってたら、イギリスから来た老夫婦は、俺が行きたかったツアーに参加すると言う。ツアー手配をぎりぎりにしておけばよかった。
10時半に、ツアーバスがやってきた。ドライバーは美人なお姉さんで、パイロットなシャツを着ている。聞いたら、客のピックアップからセスナの操縦にガイドまでやるとのこと。うーん、サングラスが似合っててかっこいいぞ・・・。
日本人1人、欧米系夫婦、オーストラリアのおっちゃん1人の計4人、体重を計って、セスナに搭乗する。初めてセスナに乗るが、飛行機自体が小さく狭い。飛び立って、結構揺れるのには慣れるまで怖かった。実は高所恐怖症なのである。飛行機は、通路側しか座らないけど、セスナには通路がない・・・。
30分ぐらいでアーガイルダイヤモンド空港に着いた。上空からは荒野の中にポツンとコロニーがあり、その奥に山肌が蚊取り線香状に掘られた鉱山が見える。未来の月面基地だ。
ダイヤモンド鉱山は、セキュリティが厳しい。ツアーバスのドライバー兼ガイドとなったパイロットのお姉さんは、鉱山内では石ころひとつ拾っちゃダメとか、鉱山には7000台の監視カメラがあるとか、ダイヤモンドに反応するX-Ray装置があるとか、違反するとたんまり罰金獲られるとかとかとか・・・。
背丈以上のタイヤを履いた巨大なトラックが見える。残念なことに、このトラックの1台がどっかでトラブってるらしくて、採掘現場行きは中止になってしまった。で、採石工場をグルグルまわり、ダイヤモンドが取れるまでの話しを聞くが、聞いたことない英語ばかりで理解不能だった。世界的に見てもダイヤモンド採掘量が多いらしいし、ピンクダイヤモンドが採れる珍しい鉱山らしい。ここの鉱山は偶然見つけたって言ってたけど、人間を寄せ付けないこの大荒野の中で、どうやってその偶然が訪れたのだろう・・・。(謎)
お土産に米粒大のダイヤモンド鉱石をもらう。「ダイヤモンドが入ってる」って冗談かと思ってたら、貰った時は明るくて気が付かなかったけど、宿に戻ってみたら、すんげー小さいダイヤモンドが入ってた。これなら目に入れても痛くないかも・・・。
また、セスナに乗って、個人的にはハイライトなバングルバングルの上空をグルグルした。そんなに機体傾けなくてもいいじゃんってくらいグルグルした。
途中、前の席で欧米系夫婦が小さいカメラを無くしたらしく、座席の下をがんばって探してる。今さっきまで、使ってたのに・・・。セスナでは大きなヘッドフォンをしてるので、パイロットの声しか聞こえない。身振り手振りでポケットとか座席の背もたれとか探したかと、意見のみお手伝いしてみた。、後々いい思い出になるとは思うけど、今夜は夫婦喧嘩かもな。。。と、思ったら、しばらくして見つけたらしい、満面の笑みで親指を立てて教えてくれた。セスナの中ではパイロットの指示にも、ツアーメイトにも、やたらと親指を立てるのであった。
ハイライトでは、左右の窓からパシャパシャ撮りまくる。揺れと窓の反射や汚れがカメラには厳しいがしかたあるまい。そしてアーガイル湖を通って、カナナラに無事帰着となった。セスナはスリルがあって、しばらくは興奮が冷めなかった。楽しい。
§ 帰路
やっと、足がぶらぶらするトイレに慣れたのに。。。午後便でカナナラからダーウィンに向かう。残念ながら、カナナラからは、ダーウィンで一泊しないと日本に帰れない。パースも成田行きは週三便しかない。元々は、ダーウィンでリゾートするはずだったけど、カナナラのツアーの件で、ダーウィン分の日程を潰してしまった。 カナナラの宿ではメイドさんに、もうチェックアウトの時間だと急かされ部屋を出た、午前中はすることが無いので、無意味にスーパーに入って涼んだりした。
途中、インターネットカフェを見かけたが、どうせダーウィンでメールのチェックはできるし、と思ったけど涼しさに誘われて小1時間を潰した。
これが良かった。備え付けのパソコンが日本時間になってて、お店の人が気を使ってくれたのか、別の日本人がいたずらしたかと思ったら、店員がお店の壁掛け時計も時間を日本時間に直してるので、聞いてみた。
「今日から夏時間だよん」って。やばいやばい。宿のチェックアウトもそうだったけど、危うく飛行機に乗り遅れるところだった。 時計を1時間進めた。カナナラ空港では、X-Rayの手荷物検査は無い。さらっと乗ってダーウィンへ夕方に到着し、また時計を30分進める。うーん、1日に2回時計を直すなんて、さらに明日には日本着いて、また時計を直すのかと思っていた。 ダーウィンは、2回目である。町はずいぶんと綺麗になっていた。オーストラリア全体で景気がいいのかなと思いつつ、どでかいラムチョップをビールで流し込む。
朝3時半に起床。前の晩は、松坂や岡島がポコポコ打たれるワールドシリーズのダイジェスト番組を結局試合終了まで見てしまった。眠い。
頼んだシャトルバスが5時にくる。ダーウィンを7時に飛べば、日本に夕方の5時には着く。オーストラリアの北は、意外に日本に近く、夜行便(夜発って朝着く)は無い。ところが、乗ろうと思ってたケアンズ行きがターボフラップ(エンジンのことだと思う)が故障したとかで、遅れるという。既に持ってきた文庫本を読み終えてたので、手持ちぶさたがこの上ない。そうこうしてると、まだ時間がかかるから、近くのホテルで朝飯食ってこいとクーポン券を配り始めた。
あ、こりゃケアンズで成田行きには乗れないと思い、確認するが朝飯食ってる間にアレンジしておくと言う。乗客30名ほどだろうか、みんなで朝飯食べ、戻ったがアレンジなんてしちゃいないし、まだキャンセルされたわけじゃないから、他の便に回せないと言いやがる。こっちにしたら、成田へ向かう便に乗れなかったら、キャンセルされたのと同じじゃん。で、学校の教頭先生みたいな、見るからにクレーム処理担当が登場し、シドニー経由の便を手配してくれる。シドニーからじゃ、夜行便じゃん。他社便にして、今日中に日本に帰らせろと食い下がるが、クレーム処理担当は表情をピクリとも変えずに「すいませんができません」と。。。うーん、手強いので怒るだけ損だし、これで終了。
しかし、飛行機運が悪いのである。キャンセルや遅れに、座席が壊れてるとか細かいの入れると、日本を出る二回に一回ぐらいはなんかある。まあ、慣れっこ(?)だから、ジタバタもしないし、飛行機が落ちるよりは、まし。
シドニーでは、修学旅行生と同乗となる。いやー、うるせいのなんのって・・・、担任の先生が。。。
まあ、こういうのも後々は、いい思い出になるけど、誰か飛行機の開運とか厄除けやってる神社しらない? (おわり)
その他の写真はこちらでどうぞ。なお、容量の都合で予告無しに消しちゃうこともあります。
ツアールート地図(GPSトラッキング)はこちらにあります。時計は日本時間です。
●ピナクルス
●ウェーブロック
●アーガイルとバングルバングル